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家系図と相続関係説明図・法定相続情報一覧図の違い

相続の手続きで法務局に出す図は、相続関係説明図か法定相続情報一覧図です。どちらも、亡くなった人と相続人の関係だけを示す図で、先祖代々をたどる記念の家系図とは目的が違います。家系図を作っても、相続の手続きにはそのまま使えません。

この記事は3つの図の違いを説明するものです。相続の手続きそのものの進め方は、管轄の法務局や、司法書士・税理士・弁護士などの専門家に相談してください。

3つの図の違い(一覧)

家系図 相続関係説明図 法定相続情報一覧図
目的 先祖や家族の歴史を残す 相続登記などで、相続の関係を説明する 戸籍の束の代わりに、相続の関係を証明する
載せる人 自由(先祖・兄弟・親戚など) 亡くなった人と相続人 亡くなった人と、戸籍から分かる相続人
作る人 誰でも 登記を申請する人など(専門家に頼むこともできる) 相続人など(専門家に頼むこともできる)
公的な確認 なし なし(手続きの添付書類) 登記官が確認し、証明の文が付いた写しが交付される
費用 作り方による(家系図の費用) 自分で作ることもできる 写しの交付は無料

相続関係説明図とは

相続関係説明図は、亡くなった人と相続人の関係を図にしたものです。法務局の案内では、相続登記(亡くなった人の土地や建物の名義を相続人に変える手続き)の申請で、相続関係説明図を戸籍謄本・除籍謄本などと一緒に出すと、調査が終わったあとに戸籍の原本を返してもらえると説明されています(法務局「不動産登記の申請書様式について」)。

つまり、相続関係説明図は「戸籍の束を読み解いた結果を、図で添える書類」です。書き方は同じページの相続登記の記載例を見るよう案内されています。

法定相続情報一覧図とは

法定相続情報一覧図は、2017年(平成29年)5月にできた「法定相続情報証明制度」で使う図です(法務局「法定相続情報証明制度」について)。

相続人が、一覧図と戸籍・除籍謄本などの束を登記所(法務局)に出すと、登記官が中身を確認し、一覧図の写しを無料で交付してくれます。この写しを、戸籍の束の代わりに相続の手続きで使えます。

法務局の案内に書かれている主な点は次のとおりです(法定相続情報証明制度の具体的な手続について)。

項目 法務局の案内
申出できる人 亡くなった人の相続人(その相続人の相続人を含む)
代理人 親族のほか、弁護士・司法書士・行政書士などに頼める
申出先 亡くなった人の本籍地・最後の住所地、申出人の住所地、亡くなった人名義の不動産の所在地のいずれかを受け持つ登記所
郵送 申出も写しの受け取りも郵送でできる
保存期間 一覧図は申出の日の翌年から5年間保存され、その間は再交付を受けられる(再交付は当初の申出人のみ)
使い道 亡くなったことに伴う相続の手続きと、年金などの手続き
使えない場合 亡くなった人や相続人が日本国籍を持たないなど、戸籍を出せない場合

一覧図に載るのは、亡くなった人と、戸籍から分かる相続人です。相続放棄をした人や、遺産分割の結果として実際には相続しない人も載ります。一方、相続人から外された人(廃除された人)は載りません。

一覧図の様式と記載例は、家族構成ごとに Excel などで用意されています(主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例)。続柄は戸籍のとおりのほか「子」と書くこともでき、相続人の住所を書くかどうかは任意とされています。ただし、使う先の機関によっては一覧図の写し以外の書類が必要になることがあるので、事前に確かめるよう案内されています。

家系図はどこが違うのか

家系図は、誰を、どこまで書くかが自由です。先祖を何代もさかのぼり、兄弟姉妹やその子どもまで書くことができます。その代わり、公的な確認は受けていないので、相続の手続きで戸籍の代わりに使うことはできません。

家系図の作成と行政書士の仕事の関係について、最高裁判所は2010年(平成22年)12月20日の判決で、依頼者の希望に沿って観賞や記念のために作られた家系図は、行政書士法の「事実証明に関する書類」には当たらないと判断しています(判決文の引用を掲載した法律事務所のサイトによる)。記念の家系図は、証明のための書類ではない、という位置づけです。

迷いやすい場面 どの図を使うか
親が亡くなり、銀行や法務局で相続の手続きをする 相続関係説明図か法定相続情報一覧図(手続き先に確認)
親戚の集まりで先祖を紹介したい 家系図
両親や祖父母に贈りたい 家系図(プレゼントにするときの選び方)

相続で集めた戸籍は、家系図の材料になる

相続の手続きでは、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を集めることになります(法務局の案内でも、この戸籍の集め方をよくある質問で説明しています)。この戸籍には、亡くなった人の親や兄弟姉妹の名前も書かれているので、家系図を作るときの出発点になります。

本

すぐわかる戸籍の読み方・取り方・調べ方

丸山学/成美堂出版(2012年)

古い戸籍の読み方と取り方に絞った本です。手書きの戸籍を読み解くところでつまずいたときに役立ちます。

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相続の手続きで迷ったら専門家へ

この記事は、図の違いを説明するところまでにとどめています。相続人が誰になるか、どの書類が必要かは家族ごとに違います。手続きで迷ったら、管轄の法務局に確かめるか、相続登記なら司法書士、相続税なら税理士、相続人どうしで話がまとまらないときは弁護士に相談してください。

相続とは別に、記念の家系図を作りたい場合は、戸籍の取り寄せから任せられる家系図作成の代行会社の比較も参考にしてください。

最終更新:2026-10-27