除籍謄本とは?戸籍謄本との違いと取り方
除籍謄本とは、載っていた人が全員いなくなって閉じられた戸籍の写しです。結婚や死亡で全員が抜けた戸籍や、転籍(本籍を別の市区町村に移すこと)で役目を終えた戸籍がこれに当たります(箕面市)。
家系図づくりでは、亡くなった祖父母や曾祖父母の戸籍の多くが除籍になっています。本人・配偶者・直系の親族なら、本籍地の役所か、電子化されていれば近くの役所の広域交付で取れます。手数料の国の標準額は1通750円です。
除籍・除籍謄本とは
法律では、戸籍に載っている全員が戸籍から除かれると、その戸籍は戸籍簿から外されて「除籍簿」として保存されると決まっています(戸籍法 第12条)。この閉じられた戸籍を「除籍」、その写しを「除籍謄本」と呼びます。
戸籍から人が除かれるのは、次のようなときです(戸籍法 第23条)。
- 結婚などで新しい戸籍を作る、またはほかの戸籍に入るとき
- 亡くなったとき
- 失踪の宣告を受けたとき、日本の国籍を失ったとき
「除籍」には2つの意味があるので注意してください。
| 言い方 | 意味 |
|---|---|
| 「父が除籍された」 | 一人がその戸籍から抜けたこと(戸籍自体はまだ残っている) |
| 「祖父の戸籍は除籍になっている」 | 全員が抜けて、戸籍そのものが閉じられたこと |
役所で取るのは後者の「閉じられた戸籍」の写しです。
転籍の場合、元の戸籍が閉じられて除籍になり、転籍先の市区町村で新しい戸籍が作られます。ただし、同じ市区町村の中での転籍では、新しい戸籍は作られません(神戸市の資料)。どこで戸籍が閉じたかは、新しい戸籍の戸籍事項欄に「〇〇より転籍」として残ります。コンピュータ化された除籍の写しは、「除籍全部事項証明書」という名前で出てきます(横浜市)。
除籍謄本と戸籍謄本の違い
| 戸籍謄本 | 除籍謄本 | |
|---|---|---|
| 中身 | 今も誰かが載っている戸籍の写し | 全員が抜けて閉じられた戸籍の写し |
| コンピュータ化後の名前 | 戸籍全部事項証明書 | 除籍全部事項証明書 |
| 手数料(国の標準額) | 1通450円 | 1通750円 |
| 家系図での使いみち | 自分や親の今の戸籍 | 亡くなった祖父母・曾祖父母、転籍前の古い戸籍 |
手数料は地方公共団体の手数料の標準に関する政令による標準額で、実際の金額は市区町村の条例で決まります。
家系図づくりでは、一人の人について戸籍謄本と除籍謄本・改製原戸籍が何通も出てくるのがふつうです。神戸市の資料の見本では、ある男性の出生から死亡までの戸籍は4種類で、そのうち妻が健在の最後の戸籍だけが戸籍謄本(450円)、残りの3つは除籍謄本か改製原戸籍(各750円)でした(神戸市の資料)。転籍や離婚・再婚があれば、そのたびに戸籍が増えます。
除籍謄本と似たものに改製原戸籍があります。こちらは、法律の改正で戸籍の様式が変わったときに書き換えられる前の戸籍です。違いは改製原戸籍とはで説明しています。
除籍謄本を取れる人
除籍謄本を請求できる人は、戸籍謄本と同じです(戸籍法 第12条の2で第10条を準用)。
- その除籍に載っている人(すでに除かれた人も含む)
- その配偶者
- 直系尊属(父母・祖父母など)
- 直系卑属(子・孫など)
たとえば、亡くなった祖父の除籍は、孫であるあなたが請求できます。曾祖父の除籍も、直系なので請求できます。
兄弟姉妹・おじ・おばの除籍は、原則として取れません。この人たちは「本人等」に入らず、請求できるのは権利の行使や義務の履行に必要な場合、国などに提出する場合、その他正当な理由がある場合に限られます(戸籍法 第10条の2)。法務省は、亡くなった兄弟姉妹の相続人がその戸籍を請求する場合を例に挙げています(法務省「戸籍のABC」Q6)。
除籍謄本の取り方
- 本籍地の役所の窓口で請求する
本籍地が近ければいちばん確実です。紙のままの古い除籍も取れます。 - 近くの役所で広域交付を使う
2024年3月から、本籍地以外の窓口でも請求できるようになりました。ただし本人が窓口に行く場合だけで、コンピュータ化されていない一部の除籍は取れません(法務省)。 - 本籍地の役所に郵送で請求する
遠方の本籍地や、広域交付で取れなかった除籍はこちら。手数料は定額小為替で払います(郵送請求の方法)。
本籍地の窓口で、自分が載っていない祖父母の除籍などを請求すると、親族関係を確認できる資料(戸籍謄本など)を求められることがあります(法務省「戸籍のABC」Q6)。先に自分と親の戸籍を取り、その写しを持っていくと話が早く進みます。
広域交付で除籍謄本は取れるか
取れます。広域交付で取れるのは戸籍証明書と除籍証明書で、横浜市は除籍全部事項証明書・除籍謄本・改製原戸籍謄本を対象として挙げています。
ただし次の点に注意してください。
- 電子化されていない除籍は対象外。相模原市は「紙の状態で保管されている除籍謄本等は対象外」と案内しています(相模原市)
- 当日受け取れないことがある。本籍地への確認が必要になり、後日の受け取りになる場合があります(相模原市、横浜市)
- 委任状での代理、郵送はできない(法務省)
広域交付のできないことは広域交付でできないことにまとめました。
古い除籍は取れないことがある
除籍簿の保存期間は、いまはその年度の翌年から150年です(戸籍法施行規則 第5条第4項)。ただし、2010年の改正より前は保存期間が80年だったと代行会社が説明しており(家樹 よくある質問)、それまでに期限を過ぎた古い除籍は廃棄されていることがあります。戦災や災害で焼けてしまった戸籍もあります(家樹)。
どこまで残っているかは、請求してみないと分かりません。戸籍で何代前までたどれるかは戸籍でどこまでさかのぼれるかにまとめています。
除籍謄本の読み方のポイント
除籍謄本を手に入れたら、次の2か所を見ると、ひとつ前の戸籍が分かります(神戸市の資料)。
- 戸籍事項欄:この戸籍がいつ、なぜ作られたか。「〇〇より転籍」とあれば、前の戸籍は転籍前の本籍地にあります
- 身分事項欄:一人ひとりの出生・婚姻などの記録。婚姻の記載に「〇〇戸籍から入籍」とあれば、そこが結婚前の戸籍です
古い除籍は手書きの縦書きで、くずし字も多く出てきます。用語や読み方のコツは古い戸籍の読み方と用語で説明しています。
除籍を何通も集めて読み解くのが大変なら、戸籍の取り寄せから任せられる代行会社もあります(代行会社の比較)。
本
すぐわかる戸籍の読み方・取り方・調べ方
丸山学/成美堂出版(2012年)
古い戸籍の読み方と取り方に絞った本です。手書きの戸籍を読み解くところでつまずいたときに役立ちます。
最終更新:2026-10-27